役者・赤座伴番ことハルの日常

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「ここです!!」
高らかと言う彼女の声を聞き、俺は視線を上にした。

すげぇ・・・

そこには、堂々とそびえ立つ城があった。

そのスケールに圧倒され呆然としていると
重々しい音とともに、門が開いた。

「さぁさぁ!王様がお待ちですよ!!早く入りましょ!!」
エリスは、軽くステップを踏みながら、手を開いて俺を促した。

あ、うん・・・

頷き踏み出しながら、ふと、王様ってどんな人なんだ。怖いのかな。などと、考えていた。
こんな疑問は、知ってる奴に聞くのが手っ取り早い。

なぁ、これから会う王様ってのは、どんな人物なんだ?

俺は足を止めて、エリスに問いかけてみた。

「とーっても優しくて、素晴らしい方ですよ!!会えばわかります!!」

背中の羽根を少し揺らしながら、少女は答えた。

そうか・・・

予想通りのテンプレな回答に、生返事をしながら、俺はまた歩きはじめた。

そういえば、公園にいた人達以外に見かけないな。
ここには、どれ位の人がいるんだろう。
城の前にも誰もいなかったけど・・・

まぁ、後で聞けば解るか。
何も知らないまま連れてこられたんだし、説明ぐらいはされるだろ。

俺は頭をふり、とりあえずの疑問を片隅に追いやった。

エリスといえば、何となく楽しそうに軽くステップを踏みながら歩いている。




※つーづーく!