役者・赤座伴番ことハルの日常

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門をくぐり、どれくらい歩いただろうか。

エリスの様子を伺いながら俺はまた、周りを見渡していた。

天井は突き抜けるように高く、等間隔の窓がついている。
壁や柱には彫刻が施されている。

テレビや写真などで見る中世のお城みたいな感じだ。

柱と柱の間には所々に鎧が置いてある。
見た感じ、人が着ている気配はない。

何気無く触れようとしたとたん。

ガシャガシャガシャ!!

  ひっ、ひぃー!!

突然、振り下ろされた刀剣に、俺は情けない声を発してしまった。

「あ、言い忘れてましたけど、鎧には近づいちゃダメですよ!!」

エリスがイタズラっぽい笑みで言う。

  先に言えよ!

と、心の中で言いながら、差し出された手を取り、無言で頷く。
ポンポンとズボンを払い、また歩きだす。

この世界には魔法のような物があるのだろうか。
俺の中にまた、疑問が出る。

とにかく、王様とやらに会えば色々とわかるだろう。
それまでの我慢だ。

自分に言い聞かせ、エリスを追った。

しばらくすると、大きな扉があらわれた。

「王の間へ着きましたよ!心の準備はいいですかぁ?緊張し過ぎて、固まらないでくださいね!」

そう言いながら再び、イタズラっぽく笑う少女。

  さぁ、いよいよだ!

俺は右の拳を握り、気合を入れた。





※続く。まだ続く。